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不動産一括査定の4つのデメリットとは?注意点や選ぶポイントも解説

2024.02.12

不動産一括査定サイトは、一度に多くの会社が出す物件査定額を比較できる反面、選択に迷ったり、電話対応が大変になったりするデメリットがあります。

サイトの中には信頼度の低いものもあるため、サイト選びは慎重になる必要があるでしょう。また、査定額通りに売却できるとは限らず、査定額が大幅にずれる可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、不動産一括査定サイトの4つのデメリットに加え、注意点や選ぶポイントも解説します。

不動産一括査定サイトは比較したいときに便利

不動産一括査定サイトとは、一度に複数の不動産会社に物件の査定を依頼できるサービスを持つサイトを指します。

多くの場合無料査定ができるため、手軽に売りたい物件の査定額が知りたいときに便利です。

物件に関する基本的な情報を入力するだけで、多くの会社が提示する物件査定額を同時に比較できるのがメリットです。

複数の不動産会社に足を運ぶ必要がなく、家に居ながら査定額を知れるため、手間や時間がかかりません。

さまざまな特色の不動産会社があり、自分のニーズに合った会社を探せるのも良い点です。

不動産一括査定の前に知っておきたい4つのデメリットとは?

一度に多くの会社の物件査定額が比較できる不動産一括査定サイトですが、どこの不動産会社を選べば良いか分からなくなったり、電話対応が大変になったりといったデメリットもあります。

ここでは、不動産一括査定の前に知っておきたい4つのデメリットを見ていきましょう。

1.複数会社があるためどこが良いのか分かりにくい

一度に多くの会社から査定してもらえる反面、複数会社があると比較対象が多く、どこに依頼すれば良いのか分からなくなるといったデメリットがあります。

また、査定額に幅がある場合、どの会社が正しいのか混乱してしまうかも知れません。不動産会社に迷わないためには、自分の不動産の相場を知っておくことが大切です。

売却したい不動産と似た条件の取引事例を調べておくと、価格の大幅なずれがなくなるでしょう。

自分で不動産の相場を調べるなら大手不動産の情報サイトや国土交通省の運営する「土地総合情報システム」で、実際に行われた不動産の取引価格を調べるのがおすすめです。

2.査定できるのはサイトと提携している不動産会社のみ

不動産一括査定サイトは、すべての不動産会社に依頼できるわけではなく、サイトが提携している不動産会社しか掲載されていないというデメリットがあります。

不動産会社は手数料を支払って不動産一括査定サイトに登録するため、地域に根ざした不動産会社などは登録していない可能性が高いといえます。

自分が調べて良いなと思っている会社が、必ずしもあるわけでは、ありません。

査定を依頼したいと考えている不動産会社がある場合は、その会社も提携されている一括査定サイトを探すのもありでしょう。

3.住んでいる地域がエリア対象外の場合がある

住んでいる地域によってはエリア対象外の場合があり、査定を受けられないケースもあります。

また、人口が少なく地価が低いエリアの売却活動は、非効率と判断して対象外にする不動産会社も存在します。

このような理由から、対象エリアでなければ一括査定を受けられない可能性があることも知っておきましょう。その場合は、地域の不動産会社に直接問い合わせてみるのもおすすめです。

地域に根ざした不動産会社ならではの市場情報を、教えてもらえる可能性が高いでしょう。

4.電話対応が大変になる

不動産一括査定をすると電話対応が大変になる可能性があります。不動産会社の目的は、査定依頼者との仲介契約を結ぶことです。

そのため、一括査定の依頼時に記入した電話番号に、不動産会社から営業電話がかかってくると心しておかねばなりません。営業電話は査定を依頼した会社からのみですが、6社に査定依頼をした場合、6社から電話がかかってくるでしょう。

不動産一括査定をやってみたという人で多いのが、電話対応がわずらわしく感じてしまうことです。電話を無視するなどしてトラブルにならないためにも、あらかじめ2~3社に絞って査定依頼することをおすすめします。

不動産一括査定サイトで依頼した会社の数だけ、必ず電話対応をしないといけないと覚えておきましょう。

不動産一括査定をするときの注意点4つ

不動産一括査定をするときには、主に4つの注意点があります。

1.査定額で売却できるわけではない
2.実際の価格よりも高く査定するところもある
3.情報を正確に提供しないと査定額が大幅にずれる
4.個人情報が流出する可能性がある

これらの注意点について、詳しく解説していきます。

1.査定額で売却できるわけではない

不動産一括査定で出た額は、不動産会社が「仲介」で取引をする場合の額であるため、必ずしも売却できる価格ではありません。

また、過去のデータを参考にした予想価格であり、実際の売却価格は査定額よりも低い場合が多い傾向です。不動産売却では、売主と買主が合意した額が最終的な売却価格になります。

不動産会社はあくまで「仲介取引」がメインであり、不動産を買取りしてくれるわけではないため、査定額で売却できる保証はないと覚えておきましょう。

2.実際の価格よりも高く査定するところもある

顧客獲得のために、実際の価格よりも高く査定する不動産会社もあるので注意が必要です。査定価格が高いからといって、優良な不動産会社というわけではありません。

査定額が高い不動産会社に問い合わせて、査定額の詳細について質問するのも良いでしょう。しっかり受け答えをしてくれるところは、比較的安心できます。

なぜこの査定額が提示できるのか、根拠に基づいた説明をしてくれる不動産会社を選ぶと良いでしょう。査定額の高さだけで判断しないことが大切です。

3.情報を正確に提供しないと査定額が大幅にずれる

情報を正確に提供しないと査定額が大幅にずれる可能性があります。なぜなら提供された情報に基づいて、価格を査定するからです。

築年数や面積、リフォーム歴などの基本情報以外にも、システムキッチンや太陽光発電などの設備についてもできるだけ細かく記入すると良いでしょう。

物件に欠陥がある場合でも、正直に申告しておく方が正確な査定額を提示してもらえます。査定額が大幅にずれないようにするためにも、正確な情報提供を心がけましょう。

4.個人情報が流出する可能性がある

複数の不動産会社に情報を提供するために個人情報を入力しますが、流出の可能性も考えられます。

不動産一括査定サイトの信頼性やプライバシーポリシーの内容を確認しておくことが大切です。プライバシー保護のために匿名で査定できる場合は、そちらを利用すると良いでしょう。

個人情報が必須でないところには、無駄に書き込まないようにするのも一つの手段です。

複数の不動産会社で個人情報が共有されてしまうため、安心して利用できるサイト選びが重要になります。

不動産一括査定サイトを選ぶポイント4つ

不動産一括査定サイトを選ぶポイントは以下の4つです。

1.住まいの地域に対応しているかで選ぶ
2.提携会社の数で選ぶ
3.質の良い不動産会社と提携しているサイトを選ぶ
4.査定物件の種類が豊富なサイトを選ぶ

それぞれ詳しく解説していきます。

1.住まいの地域に対応しているかで選ぶ

不動産一括査定サイトを選ぶ際には、まず自分が住んでいる地域に対応しているかで選ぶのがポイントです。

査定サイトが全国規模の場合は、経験やデータが豊富といえます。さまざまな市場の動きを捉えているため、価格の変動を把握しやすく、より正確に査定できる可能性が高いでしょう。

一方、地域に特化しているサイトは、地域特有の情報やニーズなどを得やすいという特徴があります。どちらにしても、売却したい物件がある地域に対応しているかどうかが重要です。

2.提携会社の数で選ぶ

不動産一括査定サイトが提携している会社の数で選ぶのもポイントの一つです。提携会社が少ないと比較しづらく、地方になると査定件数が少なくなる可能性があります。

複数の会社と提携しているサイトは、あらゆる視点から査定価格を得られるのが良いところです。また、比較件数も多くなるので、自分のニーズに合った不動産会社が見つかりやすくなるでしょう。

ただし、提携会社の数が多すぎると最適な不動産会社を選ぶのに労力がかかってしまいます。提携会社の数がバランスの良いサイトを選ぶのがおすすめです。

3.質の良い不動産会社と提携しているサイトを選ぶ

質の良い不動産会社と提携しているところを選ぶのもポイントです。質の良い不動産会社は、豊富な経験とデータを持ち、顧客への対応が丁寧な特徴があります。

また、査定価格に対しても明確さと根拠があり、売却戦略も具体的に提示してくれるでしょう。不動産会社の質が高いとサイトの信頼性も高いといえます。

質の良い不動産会社を見極めるためには、各不動産会社の実績やレビューを見て、どのように評価されているか確認するのも重要です。

また、クレーム対応やアフターサポートがしっかりしているかにも注目しておくと良いでしょう。

4.査定物件の種類が豊富なサイトを選ぶ

一戸建てやマンション、土地、投資物件など多くの種類に対応しているサイトを選ぶのも大切なポイントです。

サイトによっては、対象となる物件の種類に差があるため、自分が売りたい物件に対応しているか確認すると良いでしょう。また、不動産会社にはそれぞれ得意分野があります。

一戸建てに強い不動産会社もあれば、マンションに強いところもあり、すべてにおいて一番という会社は存在しません。

そのため、自分が売りたい不動産に対して、専門性の高い不動産会社に依頼するためにも、複数の種類に対応しているサイトを選ぶと良いでしょう。

不動産査定の方法は2種類

不動産一括査定の方法には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。これらの査定方法は、売却までのプロセスや目的によってどちらで行うかが変わってきます。

ここでは2つの査定方法について、詳しい内容を確認していきましょう。

1.机上査定

一括査定した場合、最初に行われるのが机上査定です。机上査定とはオンライン上での査定を指します。

査定時に入力した情報や数字を過去のデータに照らし合わせて、査定額が算出される仕組みです。

複数の不動産会社から大まかな査定額を出してもらえるため、ざっくりと市場価値を知りたいときや、売却をしようか検討している段階に役立ちます。

ただし、実際に物件を見て査定するわけではないため、正確な査定価格を出すのは難しいといえるでしょう。机上査定では結果が1~3日ほどで出るので、すぐに査定額を知りたい人におすすめです。

2.訪問査定

訪問査定は、物件の状態や周辺の環境状況を実際に目で見て確認する方法です。同じ築年数の物件でも、管理状態や建物の工法、周辺環境の状況などによって価値が高くなる場合があります。

反対に、土地の状態や災害の遭いやすさなど、過去のデータから算出された査定額よりも低くなる可能性もあります。

訪問査定は物件の状況を細かく把握できるので、査定額と売却額が大幅にずれにくいのが特徴です。

不動産会社の営業担当者が直接訪問し、状況を確認してから査定をするため、査定結果が出るまでに1週間ほど期間がかかります。

売却に急いでいない人や、正確性の高い査定額を知りたい人におすすめです。

不動産一括査定の流れ

不動産一括査定の流れは、次の3つのステップで進めていきます。

1. 不動産情報を確認する
2. 売りたい不動産の相場を調べる
3. 一括査定をする

下記の図は、一括査定の流れをイメージしたものです。

不動産一括査定の流れについて、詳しく見ていきましょう。

1. 不動産情報を確認する

不動産情報は正確に入力するのが大事なため、以下の5つの項目における正確な数字を確認しておきましょう。

1.土地面積
2.建物面積
3.築年数
4.間取り
5.住所

不動産情報が書いた書類が手元にない場合は、法務局で登記事項証明証を取り寄せておきましょう。法務局の窓口で申請するほか、ネットや郵送でも手続きができます。

査定依頼に関する情報だけなら、ネット上で確認できる登記情報提供サービスを利用するのも良いでしょう。

また、不動産情報と合わせて売却希望期間や価格なども検討しておくと、訪問査定まで進んだ場合にスムーズです。

売りたい不動産の相場を調べる

不動産一括査定のデメリットで述べた通り、査定と実際の売却額の大幅なずれをなくすために不動産の相場は調べておきましょう。

国土交通省が運営するサイトの「土地総合情報システム」や、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する、「レインズ・マーケット・インフォメーション」という不動産取引情報提供サイトで調べられます。

売りたい不動産の相場を調べておくことで、査定額と売却額との大幅なずれをなくす以外にも、希望価格との差が分かり、売却までにかかる費用が予測できたり依頼した会社の対応力が分かったりといったメリットもあります。

一括査定をする

不動産情報の確認と相場調べが終わったら、一括査定を行います。一括査定の主な流れは、以下の通りです。

1.サイトにアクセス
2.不動産情報を入力
3.個人情報を入力
4.不動産会社を選ぶ
5.不動産会社から電話で査定結果の返答が来るのを待つ(約1〜3日)

一括査定を行い、不動産会社から電話連絡がくるまで、1~3日ほどかかります。メール指定にしない限りは、電話での返答がほとんどです。電話連絡があった際には、必ず対応するようにしましょう。

不動産一括査定以降の流れ

不動産一括査定以降の流れは以下の通りです。

1. 一括査定した不動産会社の中から厳選して訪問査定を依頼(約1週間)
2. 売却プランに納得した不動産会社と仲介契約を結ぶ

一括査定は複数にしても問題ありませんが、一度に複数の会社から連絡が来るため、電話対応が大変になります。それに加えて訪問の場合はかなり時間を取られてしまうでしょう。

訪問査定を依頼する際は、気になった2〜3社以下で比較すると良いでしょう。また机上査定は物件の情報のみで査定するのに対し、訪問査定では物件の状態や周辺環境、水回りの劣化なども確認されます。

適切な査定をしてもらうためにも、最低限の清掃や片付けなどをしておくと良いでしょう。

不動産一括査定に関するQ&A

不動産一括査定に関する質問で多いのが「査定依頼後にキャンセルはできるの?」「査定に必要な書類はある?」といった疑問です。これらの疑問についてQ&A式で解説していきます。

査定依頼のキャンセルは可能?

査定を依頼した後のキャンセルは可能です。キャンセルをする際には、依頼したサイトのキャンセル方法に従って行いましょう。

査定結果が届いている場合には、不動産会社に連絡する必要があります。

査定結果や不動産会社の対応に納得いかなかった場合でも、依頼したサイトに応じた方法で必ずキャンセルの手続きを行うようにしましょう。

査定に必要な書類は?

一括査定の場合は、書類は基本的に必要ありません。ネットで査定を受けずに、不動産会社に出向いて査定を依頼する場合は以下の書類が必要です。

1.本人確認書類
2.登記識別情報
3.固定資産税納税通知書

【マンションの場合のみ】
4.専有面積が確認できる書類
5.維持費等が確認できる書類

上記のほかに、第三者的な立場で物件の状態をチェックしてもらう住宅診断の結果や耐震診断報告書などもあれば、提出することをおすすめします。これらの書類があることで、より正確な査定価格が得られるでしょう。

不動産一括査定のデメリットや注意点を知ったうえで依頼しよう

不動産一括査定は複数の不動産会社に手間をかけずに査定の依頼ができる反面、電話対応が大変になり、どこに依頼すれば良いのか分からなくなるなどのデメリットがあります。

また、実際の売却価格よりも高すぎる査定価格の提示や、個人情報が流出してしまうリスクもあるため、注意が必要です。

ネット上には、不動産一括査定のランキングを示したサイトや評判の良いサイトを紹介したブログなどもありますが、信頼できるサイトかどうか見極めることが大切です。

今回紹介した選ぶポイントを参考にしつつ、デメリットや注意点を理解したうえで、不動産一括査定を検討してみてはいかがでしょうか。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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