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不動産売買における住民票の手続きとは?タイミングと必要書類を解説

2024.10.24

不動産を売却する場合、住民票の異動手続きが必要です。しかし、どのタイミングで異動させればよいのか、どのような手続きを踏めばよいのか疑問に思う方もいるかもしれません。

スムーズに不動産売買の手続きができるよう、住民票を異動させるタイミングや必要な手続き、押さえておきたいポイントのほか、必要書類まで解説していきます。

不動産売却において住民票を異動すべきタイミングは?

住民票の異動は、不動産の売却が完了してから行うと、手続きを最小限に抑えられます。

新住所に引っ越してから不動産を売却するとなると、不動産の登記記録が記載されている住所と現住所が異なるため、住民票を提出しなければなりません。しかし、住所が同じであれば、提出は不要です。

そもそも住民票の異動はなぜ必要?

引っ越しをして住所が変更になった場合は、住民票の異動が必要です。住民票を異動しなければ、行政や福祉のサービスが受けられなかったり、選挙に参加できなかったりと、日常生活に不便をもたらす可能性があります。

住民票の異動は、引っ越し後14日以内に自治体に届け出なければなりません。これは、住民基本台帳法第22・23条で規定されています。例えば、4月1日に新しい住所に変更となった場合、住民票の異動は4月14日までに行わなければなりません。届け出をしなかった場合は5万円以下の罰金が科せられるため注意しましょう。

なお、具体的な手続きは後述します。

不動産売買で住民票異動する際に必要な手続き3つ

不動産売買による住民票異動で必要な手続きは、転出届・転入届・転居届の3つあります。手続きは、原則引っ越す本人またはその家族が行わなければなりません。ただし、窓口の対応時間にどうしても都合がつかない場合は、委任された代理人が手続きを行うことも可能です。

なお、届け出に必要な書類は、各自治体のホームページを確認しましょう。

1.転出届

転出届は、他の市区町村に引っ越す際に必要な届け出のことです。引っ越し日前後14日以内に届け出なければなりません。旧住所の自治体窓口に必要書類を提出し、転出証明書を受け取りましょう。

転出届に必要な書類は、以下のとおりです。

  • ・役所で入手した転出届
  • ・本人確認書類
  • ・印鑑
  • ・代理人の場合は委任状

なお、マイナンバーカードを所有している場合は、マイナポータルを経由しオンライン上での手続きが可能です。その場合、転出証明書の受け取りはありません。

2.転入届

転入届は、他の市区町村に引っ越した場合に、住民票を新住所に更新するための届け出のことです。引っ越し後14日以内に届け出なければなりません。転入届を提出することで新たな住民票が発行され、旧住所の住民票は無効となります。

転入届の手続きに必要な書類は以下のとおりです。

  • ・役所で入手した転入届
  • ・本人確認書類
  • ・転出証明書
  • ・マイナンバーカード
  • ・印鑑

なお、マイナンバーカードを利用して転出届の手続きを行った場合は、転出証明書の提出は不要です。マイナンバーカードを忘れずに持参しましょう。

また、転入届の手続きはオンライン上ではできないため、必ず窓口で行う必要があります。

3.転居届

転居届は、同一市区町村内で引っ越しをした場合に、新住所の役所に住所の変更を申し出る届け出のこと。前述した転入届同様、引っ越し後14日以内の手続きが必要です。

届け出に必要な書類は以下のとおりです。

  • ・役所で入手した転居届
  • ・本人確認書類
  • ・保険証や医療証(市区町村役場が発行している場合)
  • ・印鑑

不動産売却での住民票異動時のポイント

不動産の売却前に引っ越しをする場合は、住民票を異動させる前に印鑑登録証明書を取得しておきましょう。印鑑登録証明書を取得できなかった場合や、期限切れの場合は住所変更登記を行う必要があります。

引っ越しをする前に印鑑登録証明書を取得しておく

不動産の売却時に必要な印鑑登録証明書は、引っ越しをする前に発行しておきましょう。不動産の所有権を移行する所有権移転登記の際に、発行から3ヶ月以内の印鑑登録証明書を提出する必要があります。

このとき、印鑑登録証明書の住所と不動産の名義人の住所が一致していなければなりません。もし、先に引っ越しを済ませた場合、住民票が新住所に更新されるため、住所が異なってしまいます。

転出届や転居届を提出すると、前のデータが自動的に削除されるため、旧住所での印鑑登録証明書の発行もできません。そのため、印鑑登録証明書は住民票の異動前に取得しておくことをおすすめします。

印鑑登録証明書の未取得・期限切れの場合は住所変更登記を行う

転出・転居前に印鑑登録証明書を取得していなかった場合や、3ヶ月以内に不動産を売却できなかった場合は、住所変更登記を行うことで売却手続きを進められます。住所変更登記とは物件の名義人の住所を変更することで、法務局で行います。

住所変更登記の方法は、自分で行うか、司法書士に依頼するかの2通り。かかる費用はそれぞれ以下のとおりです。

・自分で行う場合の費用
登録免許税のみ:1,000円/1件

・司法書士に依頼する場合
登録免許税+司法書士報酬:1〜2万円/1件

自分で行うと手間はかかりますが、費用は抑えられます。一方、手間をかけたくない場合や時間が取れない場合は、思い切って専門家に依頼するのも一つです。

不動産売却に必要な書類は?

不動産売却に必要な書類は、戸建てとマンションで異なります。

戸建てを売却する場合

戸建を売却する場合に必要な書類は以下のとおりです。

売主に関する書類 不動産に関する書類
・本人確認書類
・印鑑登録証明書
・住民票(登記上の住所と現住所が異なる場合)
・銀行口座通帳
・実印
・ローン残高証明書(ローン残高がある場合)
・登記簿謄本または登記事項証明書
・売買契約書
・登記済権利書または登記識別情報
・重要事項説明書
・図面や設備仕様書
・土地測量図
・建築確認通知書
・建築設計図書
・設備に関する説明書
・検査済証
・固定資産税の税通知書
・物件パンフレットなど

マンションを売却する場合

マンションを売却する場合に必要な書類は以下のとおりです。

売主に関する書類 不動産に関する書類
・本人確認書類
・印鑑登録証明書
・住民票(登記上の住所と現住所が異なる場合)
・銀行口座通帳
・実印
・ローン残高証明書(ローン残高がある場合)
・登記簿謄本または登記事項証明書
・売買契約書
・登記済権利書または登記識別情報
・重要事項説明書
・図面や設備仕様書
・設備に関する説明書
・維持費やマンション規約に関する書類
・固定資産税の税通知書
・物件パンフレット
・鍵など

 

不動産売却の必要書類はいつまでに揃えるといいの?

不動産売却の必要書類は、売却を決めた時点で早めに用意しておくとスムーズに手続きできます。特に、以下の書類は物件の価格を左右するため、査定依頼前に準備しておくと安心です。

  • ・登記済権利書または登記識別情報
  • ・図面や設備の仕様書
  • ・土地測量図
  • ・固定資産税納税通知書

また、以下の書類は、不動産会社との契約前に揃えておきます。

  • ・本人確認書類
  • ・印鑑登録証明書
  • ・戸建ての場合は検査済証
  • ・マンションの場合は維持費に関する書類や規約
  • ・物件のパンフレット
  • ・ローン残高証明書

チェックリストなどを作成して、余裕を持って取り組むとよいでしょう。

不動産売買ではタイミングに注意して住民票を異動させよう

居住している不動産を売却する場合は、以下の流れで手続きを行うとスムーズです。

  1. (1)旧住所で印鑑登録証明書を発行する
  2. (2)不動産を売却する
  3. (3)新住所に転居する
  4. (4)住民票を異動させる
  5. なお、売却前に引っ越しをする際において、以下の場合は住所変更登記を行えば問題ありません。

    ・旧住所で印鑑登録証明書を発行しなかった場合
    ・印鑑登録証明書の発行から3ヶ月以内に不動産を売却できなかった場合

    手続きに不安のある方は、不動産売却に強い住栄都市サービスまでぜひご相談ください。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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