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不動産売買の「仲介」と「買取」の違いとは?メリットやデメリットもチェック

2024.06.08

不動産売買には「仲介」と「買取」の2種類があります。不動産を売却しようと検討している人にとって、それぞれの違いについて理解しておくことは重要です。この記事では、仲介と買取のメリットやデメリット、選ぶコツについて詳しくお伝えします。

不動産売買の「仲介」と「買取」の違いとは?

仲介と買取では、大きく「買主」「売却期間」「売却価格」が異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

違い①買主

まず、不動産を売る相手となる「買主」が違います。仲介の場合、個人のお客様が買主になります。不動産会社は仲介役となり、個人の買主相手に販売活動を行います。

それに対して、買取の場合は不動産会社が買主となります。買取とは、不動産会社が買取った不動産にリフォームなどを施し、付加価値を付けて再販売を行う方法です。そのため、不動産会社が取引相手となるのです。

違い②売却手続期間

仲介は売却手続にかかる期間が長いことが特徴です。一から購入希望者を探すため、売却完了までに時間がかかります。売出しから成約まで、平均3~6ヶ月かかる場合が多いです。

しかし不動産の状態や環境によっては、なかなか購入検討者が現れず、更に1~2年以上かかることもあります。

また購入希望者が見つかっても、すぐに手続きが完了するわけではありません。契約条件の折衝や住宅ローンの審査などの手続きがあるため、実際に入金から引渡しするまでおおよそ2~3ヶ月かかります。

その一方、買取は早期売却が可能です。買取は不動産会社が購入するため営業活動の必要がなく、売主が希望する売却スケジュールで進められるためです。

違い③売却価格

売却価格は、買取よりも仲介のほうが高くなります。仲介では、広告や顧客データベースなどを利用し、購入希望者を見つけてから取引します。そのため、相場価格を基準に提示できるため、相場価格に近い価格で取引できる可能性が高いのです。

それに対し買取では、購入希望者の有無を問わず不動産会社が買取ります。リフォーム費用や転売する際のリスクを不動産会社が負担することになります。

不動産の状態や立地によっては相場と近い価格で取引できることもありますが、相場価格の6~8割程度が一般的です。

不動産売買の「仲介」の流れ

仲介の不動産売買は以下の流れで行います。

①不動産会社の検討をする
仲介役となる不動産会社を選びます。不動産会社に査定してもらい、検討しましょう。

多くの会社を一括で比較できる「不動産一括査定サイト」を利用するのもひとつの手です。ただし、利用にはデメリットもあるため、以下の記事を参考にすると良いでしょう。

不動産一括査定の4つのデメリットとは?注意点や選ぶポイントも解説

②不動産会社と媒介契約を結ぶ
不動産会社に売却依頼をし、媒介契約を締結します。

③売却活動を開始する
不動産会社が売却活動を行い、購入検討者を探します。不動産会社に訪れた人への営業活動や折り込みチラシなどの広告、不動産会社のネットワークシステム、不動産ポータルサイトの利用など、様々な手段で購入検討者を探します。

購入検討者が見つかれば、不動産会社の担当者は売主とともに内覧に対応します。

④買主と不動産売買契約を結ぶ
購入検討者に購入する意思がある場合、不動産会社が売主との間に立ち、売買条件を調整します。取引内容に双方合意したら売買契約を締結します。

⑤決済をし、引渡しをする
契約が完了したら売買代金の決済を行い、不動産の引渡しを行います。また、売主は不動産会社に対して仲介手数料を支払います。

不動産売買の「買取」の流れ

買取での不動産売買は以下の流れで行います。

①不動産会社の検討をする
不動産を買い取ってもらう不動産会社を選びます。複数の業者に査定依頼し、取引する業者を比較検討するのがおすすめです。

②不動産売買契約を結ぶ
買取業者を決定したら、不動産の引渡し条件の交渉を行います。取引内容に双方合意したら、売買契約を締結します。

③決済をし、引渡しをする
買取金額の決済を行い、物件を引渡します。引渡し当日は、書類や鍵の引渡しを行います。

不動産売買の「仲介」のメリット・デメリット

仲介で不動産売買を行う場合の、メリットとデメリットをそれぞれ説明します。

不動産売買の「仲介」のメリット

不動産を仲介で売買する場合のメリットは、以下の通りです。

・買取よりも売却価格が高くなる可能性がある
・内覧の際に購入検討者から直接意見を聞けるため、より高値で売るための工夫ができる

不動産売買の「仲介」のデメリット

不動産を仲介で売買する場合、以下のようなデメリットがあります。

・売却までの期間がかかる
・内覧に対応する必要があり、手間がかかる
・広告に不動産が掲載されるため、周囲に知られてしまう
・仲介手数料がかかる
・設備修復責任や契約不適合責任を負う

※設備修復責任や契約不適合責任:一定の期間内に不動産に欠陥や設備の不具合などがあった場合、引渡し後でも売主負担で修繕するなどの責任があること。

不動産売買の「買取」のメリット・デメリット

買取で不動産売買を行う場合の、メリットとデメリットをそれぞれ説明します。

不動産売買の「買取」のメリット

不動産を買取で売買する場合、以下のようなメリットがあります。

・仲介よりも短期間で売却できる
・すぐに現金化できるため資金計画を立てやすい
・内覧の対応をしなくていい
・周囲に知られず売却できる
・不動産会社が買い取るため、確実に売却できる
・売主都合でスケジューリングできる
・仲介手数料がかからない
・設備修復責任や契約不適合責任が免除される場合が多い
・そのままの状態で売却できる
・古い物件でも売却しやすい

不動産売買の「買取」のデメリット

不動産を買取で売買する場合、以下のようなデメリットがあります。

・売却価格が相場より低くなる
・不動産の状況によっては買い取ってもらえない場合もある

「仲介」と「買取」どっちが良いの?

仲介と買取のどちらが最適かは、何を重視するかによって変わります。それぞれどんな人に向いているのか列挙します。

「仲介」がおすすめの人

売却価格を重視する人におすすめです。また、条件の良い物件を持っている人にも仲介を選ぶと良いでしょう。具体的には以下のような人です。

・なるべく高く売りたい人
・築年数が浅い物件を持っている人
・立地がいい場所に物件を持っている人
・売買スケジュールに余裕がある人

「買取」がおすすめの人

売却期間を重視する人におすすめです。また、仲介ではなかなか売れない人も買取を選ぶと良いでしょう。具体的には以下のような人です。

・短期で売却したい人
・資金計画をしている人
・築年数が経過している古家を持っている人
・立地が悪い物件を持っている人
・売却することを周囲に知られたくない人
・仲介手数料を払いたくない人

不動産会社を探す方法は?

仲介の場合、不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめです。不動産一括査定のメリットは、複数の不動産会社の売却価格を一括で比較できることです。手間や時間をかけたくない場合や、自分のニーズに合った会社を探したい場合に役立ちます。

その一方で、比較対象がたくさんあることで選択に迷ったり、営業の電話が何社もかかってきて電話対応が大変になったりと、デメリットもあります。不動産一括査定の注意点を把握したうえで、上手に活用することが大切です。

買取の場合は、実績のある不動産会社に売却するのがおすすめです。不動産相談所は、買取実績が豊富。独自の「ダブル査定」では、土地建物価格の相場と、収益物件としての査定を同時に行えます。

ライフプランに合わせて最適な資産活用の提案もしていますので、是非お問い合わせください。

不動産売買の「仲介」「買取」の特徴を知って売却方法を選ぼう

不動産売買は「仲介」と「買取」で売買方法が異なり、買主や売却手続期間、売却価格に違いがあります。

仲介は高く売却できる可能性が高い反面、売却手続期間が長期になります。買取は早期売却が可能ですが、売却価格が相場より低くなりがちです。不動産売却において、自身が何を重視するかを把握し、後悔のない選択をしましょう。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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