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特殊清掃とは?依頼すべきケースや料金、業者の選び方を徹底解説

2024.10.14

特殊清掃とは、特殊な薬剤などを使用し、通常の清掃では取りきれない汚れを清掃することです。孤独死やゴミ屋敷、事件・事故などのケースで利用します。この記事では、特殊清掃の料金や特殊清掃業者の選び方、物件売却の際の留意点などについて詳しく説明します。

特殊清掃とは

特殊清掃とは、通常のクリーニングでは落とせない汚れのある家・部屋を清掃することです。

特殊清掃が必要な現場では、血液などの汚れの除去や害虫駆除、除菌・脱臭の対応が求められます。感染症のおそれがあり、特殊な薬剤や器具を使用するため、専門的な知識と技術がです。

特殊清掃が必要な物件を売却したい場合、特殊清掃をしてからでないと不動産会社に断られてしまうことが多いため、検討は必須と言えます。

特殊清掃に依頼すべきケースとは

特殊清掃に依頼すべきケースは、4つあります。以下で詳しく説明します。

ゴミが大量に溜まっている

大量のゴミが溜まっているゴミ屋敷は、特殊清掃が必要です。部屋に染み付いた悪臭の対処はもちろん、ゴミにおびき寄せられた害虫の駆除、感染症対策も必要なためです。

さらに、ゴミを処分するには分別対応も必要です。大量のゴミを個人で分別するのは難しいため、対応は特殊清掃員に任せた方がよいでしょう。

孤独死があった

発見が遅れることが多い孤独死のケースでは、遺体から強い死臭が漂うため、特殊清掃が必要です。

遺体の悪臭はもちろん、遺体から染み出した血液や体液は普通のクリーニングでは落としきれません。また、体液に触れることでウイルス感染の危険もあり、害虫などが繁殖している可能性もあります。

二次被害を防ぐためにも、特殊清掃業者への依頼は必要です。

事件や事故があった

自殺や事故、事件などで人が死亡した場合も、特殊清掃業者に任せるべきです。孤独死の場合と同様、遺体から染み出した血液などの汚れを落としきり、病原菌や害虫を根絶する必要があるためです。

また、身内が亡くなった現場で清掃作業をするのは精神的に負担があるもの。突然身内がなくなっただけでも精神的ダメージは大きいので、清掃はプロに任せた方が安心です。

火災があった

火災現場は、特有の匂いが染み付いてしまうため特殊清掃が必要です。火災の匂いはなかなか取れないもの。取りきれないまま放置すると周辺地域に悪臭が届き、近所迷惑となる可能性もあります。

火災現場に対応している業者は限られているため、まずはインターネットなどで対応している業者を調べるとよいでしょう。

特殊清掃の作業内容

ここでは、特殊清掃の作業内容を紹介します。以下、作業順に確認していきましょう。

1.消毒・除菌作業

特殊清掃の現場で、最初に行うのが消毒作業です。

前述の通り、特殊清掃が必要な現場は非常に不衛生な状態です。そのまま掃除しては感染症を引き起こす危険性があるため、危険を回避するために防護服を着て消毒します。

消毒には、強い殺菌力を持つ二酸化塩素を使用するのが一般的です。

2.害虫駆除

専用の殺虫剤や燻煙剤を使い、ハエやゴキブリなどの害虫を駆除します。

現場では、生ゴミや飲み残しのペットボトル、遺体がある場合が多く、大量の害虫が発生するためです。ここで徹底的に駆除することで、ウイルス感染などの二次被害を防ぎます。

3.家財搬出・不用品処分

家財・家具を搬出し、処分します。

多くの場合、血液や体液が付着した家財・家具は、クリーニングで汚れを取り除くのは困難なためです。除菌や脱臭も必要になるため、廃棄するのが一般的です。

4.汚染物の除去

特殊な薬剤を使い、部屋に残った血液や体液、皮膚や髪などを除去します。

ここでは、悪臭やウイルス発生の原因を徹底的に除去することが重要です。体液が壁や床に染み込んでいるケースは、汚染物質を吸収している表面を剥がし、清掃します。

5.消臭作業

オゾン脱臭機などの消臭機器や特殊な薬剤を使い、徹底的に消臭します。

特殊清掃が行われる現場は目に染みるほど悪臭が強く、原因を除去するだけでは匂いを取りきれません。完全に消臭しないと臭いがぶり返すこともあるため、効果を確認しながら念入りに行います。

6.状況に応じて解体・リフォーム

前述の手順を踏んでも取りきれない汚れや悪臭がある場合は、内装リフォームを行います。

例えば、遺体の血液が床の木材内部にまで浸透しているケースです。この場合は床板を剥がす、または建物自体を解体して一から建て直すなどの対処が必要なため、リフォームが必要なのです。

その一方で、特殊清掃に加えて解体やリフォームをするとさらに費用がかかります。余計な出費を出さないよう、事前に特殊清掃業者と入念な打ち合わせを行うことが肝となります。

特殊清掃にかかる料金

特殊清掃にかかる料金の相場、また相場よりも高くなるケースや、低くなるケースについて説明します。

特殊清掃の料金相場

特殊清掃の料金相場は、おおよそ5〜70万円ほどです。作業ごとに料金を設定しているため、どの作業をどのような状況で依頼するかによって料金が変わります。

一部屋を特殊清掃する場合は、いくら安くても10万円を超えるのが一般的です。人件費や消臭剤、不用品処分などの費用がかかるためです。そのため、あまりに安い見積もりを提示された場合は注意しましょう。

特殊清掃の詳しい料金を知りたい場合は次の記事も参考にしてください。

特殊清掃の金額はいくら?相場や負担者、安く抑えるポイントも解説

料金が高くなるケース

依頼内容によっては、通常より料金が高くなる場合があります。

例えば、処分する不用品が多い場合はその分処分費用が上乗せされます。また、汚れがひどく、手間や時間がかかる場合や、特殊清掃のほかにリフォーム工事も必要な場合も同様です。

料金が安くなるケース

場合によっては、通常より料金を安くできることもあります。

例えば、一般的なハウスクリーニングで対処可能な場合や、人数や清掃日数が少ない場合は費用が減額できる可能性があるのです。

また、業者によっては平日割引を設定しているところもあります。料金を抑えたい場合は、平日を狙う、空いている日に依頼するなどして、値引き交渉するのもひとつの手です。

特殊清掃業者の選び方

特殊清掃業者を選ぶには3つのポイントを抑えることが重要です。「見積書に根拠が明示されている」「実績・経験が豊富な業者を選ぶ」「廃棄物に関する許可を持っているか確認する」について詳しく説明します。

見積書に根拠が記載されているか確認する

見積書に作業内容や作業量、費用の内訳の記載が明確な業者を選びましょう。提示された金額が前述の費用相場と合っていることを確認することも大切です。

見積内容が不明瞭、余計なオプションが付いている、費用相場と合わないなどの場合は断るのが懸命です。通常よりも多く費用を取られるなどのトラブルに発展する可能性があるためです。

優良な業者を選びたいなら、業者に現地を確認してもらい、正確な見積書を作ってもらうとよいでしょう。不明瞭な記載は、見積もりの時点でクリアにしておくのをおすすめします。

特殊清掃の実績・経験が豊富な業者を選ぶ

品質の高い作業をしてほしいなら、実績や経験が豊富な業者を選びましょう。

前述の通り、特殊清掃の対処方法は多岐に渡るため、経験の少ない業者では対応しきれない場合もあります。安心して作業をお願いするためにも、業者のホームページで作業実績を確認しましょう。

廃棄物に関する許可を持っているか確認する

産業廃棄物収集運搬業許可と一般廃棄物収集運搬業許可を持っていない業者は違法です。事前に確認してから依頼しましょう。

依頼内容や要望によっては、特別な免許や資格もあわせて確認するのがおすすめです。

例えば、事件現場対応を確実に対処してほしいなら事件現場特殊清掃士、遺品を丁寧に扱ってほしいなら遺品整理士が在籍していると心強いです。遺品をリサイクルしたいなら、古物商許可を得ている業者に対応してもらうとスムーズでしょう。

特殊清掃が必要な物件を売却する時の留意点

特殊清掃が必要な物件の売却を考えている場合、「特殊清掃業者と不動産業者を同時に依頼する」「不動産買取業者の利用を検討する」の2つに留意しましょう。以下で詳しく説明します。

特殊清掃業者と不動産業者を同時に依頼する

見積依頼は、特殊清掃業者だけでなく不動産業者へも依頼すると手間が省けます。

特殊清掃が必要となる場合、対応が必要なのは部屋の清掃だけではありません。不動産売買や亡くなった人の葬儀、名義変更など手続きが山積みです。

少しでも手間を減らすために、特殊清掃業者と不動産業者を同時に依頼するのはマストと言えます。

不動産買取業者の利用を検討する

特殊清掃した物件の売却を検討しているなら、不動産買取業者に売ることも方法のひとつです。

なぜなら、不動産買取業者には、現状のまま買い取ってくれる業者もあるため、特殊清掃業者に依頼する手間や費用が省けるためです。買取を希望する場合は、特殊清掃が必要な物件も買取してくれるか事前に確認しましょう。

住栄都市サービスなら、特殊清掃費用込みで買取が可能です。買い取ってから特殊清掃をするので、実質特殊清掃費用の自己負担はありません。お悩みの場合は、ぜひ一度お問い合わせください。

特殊清掃は信頼できる業者に!他の対応策も検討して

特殊清掃とは、孤独死やゴミ屋敷、事件・事故などのケースで、ハウスクリーニングではでは取りきれない汚れを清掃することをいいます。特殊清掃では特殊な薬剤で消毒や汚染物の除去を行うため、その料金は決して安くはありません。

依頼する際は、よく調べて信頼のできる業者を選ぶようにしましょう。また、物件の売却を考えている場合は不動産買取業者への依頼を検討するのもおすすめです。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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