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空き家マンションには3つのリスクがある|適切な管理方法やできることを解説

2024.08.04

空き家は、戸建てだけではなくマンションも増加傾向にあり、問題になっています。マンションの空き家は、老朽化しやすい、犯罪の温床になりうるなどリスクがあり、資産価値が下落してしまうことも。ここでは、マンションが空き家になることで起こりうるリスクや、空き家の管理方法、資産価値を下げないための対策など、詳しく説明します。

マンションの空き家問題|3つのリスク

マンションの空き家を放置しているとさまざまなリスクがあります。ここでは、「老朽化しやすくなる」「空き巣に遭いやすくなる」「費用がかかる」の3つのリスクについて詳しく解説します。

1.老朽化しやすくなる

空き家になったマンションは、老朽化しやすくなります。その理由は、人が住むことで日常的に行われていたメンテナンスがされなくなるためです。

例えば、料理やお風呂など日常生活で水を流すことで、配水管にある排水トラップに水が溜まり、排水管からの悪臭を防いでいます。しかし、水道の水を出さなくなると、溜めていた水が蒸発するため、排水管から悪臭が上がってきてしまうのです。

また、換気もしなくなり室内に湿気が溜まるため、カビの繁殖や設備の故障などのリスクもあります。将来的に大規模修繕が必要になる可能性もあるため、定期的に対処することが必要なのです。

2.空き巣被害に遭いやすくなる

空き家であることがわかりやすい家は犯罪者に狙われやすく、空き巣などの犯罪に巻き込まれるリスクが高くなります。

空き巣といえば一戸建てのイメージですが、空き巣被害は所有形態に関係なく起きています。警察庁の調査による「侵入強盗の発生場所別認知件数(2022年)」によると、3階建以下の共同住宅と一戸建て住宅はどちらも17.6%と同等の発生率です。

空き巣被害とは、窃盗や放火だけではありません。犯罪者の不法占拠や犯罪の取引場所に使われることもあり、所有者も知らないうちに事件の関係者になってしまう可能性もあるのです。そのような空き家が同じマンション内で増えていけば、マンション全体がスラム化してしまう可能性もあるでしょう。

3.維持費・管理費がかかる

空き家のマンションでも、所有している間は管理費や共益費、積み立て修繕費などがかかります。他にも、固定資産税、都市計画税などの税金の支払いも必要です。空き家の管理を第三者に頼む場合は、さらに出費がかさむことになります。

今後住む予定がなければ、賃貸物件として貸したり、不動産会社に売却したりと活用するのもひとつです。不動産の活用方法についてはあとで詳しく解説します。

空き家マンションの管理方法|資産価値の維持

ここでは、マンションの資産価値を維持するための管理方法を紹介します。「換気」「掃除」「通水」「水漏れの確認」「害虫・害獣駆除」について確認していきましょう。

換気をして湿度を下げる

室内に湿気がこもっていると、カビの発生や建材が腐食する原因となります。定期的に換気をして空気を入れ替えましょう。

ドアやクローゼット、押し入れなども残らず開け放ち、すべての空間に溜まった湿気を逃がすことが大切です。その際、カビが発生していないかも必ず確認し、見つけた際は早めに除去してカビの進行を食い止めましょう。

部屋全体の掃除をする

定期的に掃除をするのも大切。水拭きまでできると尚良いですが、乾くまで換気が必要なことに注意が必要です。

あまり時間をかけられない場合は、掃き掃除だけでもしてほこりを取り除くようにしましょう。ほこりは、油分や水分と結合すると汚れとしてこびりついてしまうため、その前に除去することが大事です。蜘蛛の巣が張っていないかもチェックし、掃除も怠らないようにしましょう。

水回りの通水をする

すべての水回りの水を流します。通水することで、排水トラップの機能維持や水道管の錆防止に効果があります。ベランダや庭の水道は見落としがちなので、忘れず行いましょう。

通水するときは、1分以上行うことがポイント。トイレは、数回流すことで対処しましょう。

雨漏りや水漏れの確認をする

雨漏りや、上の階からの水漏れがないか確認しましょう。特に老朽化したマンションの場合はリスクが高まるため、入念なチェックが必要です。

また、所有している空き家の設備から水漏れしている場合もあります。トイレやキッチンなど、水回りの下をしっかり確認するようにしましょう。

害虫・害獣駆除をする

空き家は人気がなく安全なため、害虫や害獣にとって住みつきやすいものです。放っておくと、フン害に遭ったり、建材を食い荒らされたりして、ボロボロにされてしまいます。見つけたら必ず駆除するようにしましょう。

害虫の対処は、燻煙剤を焚くのが手軽です。燻煙剤で対処できない害虫や害獣は、自分では難しいため業者に依頼するのがベストです。

空き家マンションの管理方法|空き家対策

前述のように空き家には犯罪リスクがあります。空き巣に狙われないようにするために、自力でできる対策を3つ紹介します。

溜まった郵便物を捨てる

ポストから郵便物や配布物があふれていると、人が住んでいないことが分かりやすいものです。空き巣被害に遭いやすくなるため、定期的にポストを確認し、溜まった郵便物を捨てるようにしましょう。

 

外から見える場所をキレイにする

外廊下の玄関やベランダ、道に面している窓など、外から見える場所はキレイにしておきましょう。特に低層階の部屋は目に付きやすいため、管理は頻繁に行うのが大切です。

ガラスが割れている、玄関の鍵が壊れている、周りに置いている植木が枯れているなど、荒れている家は空き家であることが分かりやすい状態です。定期的にチェックし、補修や撤去、掃除をするようにしましょう。

近隣住民へ挨拶する

空き家の両隣や上下階の住人に挨拶し、空き家になることを伝えるのもひとつの手です。

連絡先を渡しておけば、何か異変が起きたときに連絡をしてくれるかもしれません。トラブルがあった時の初動が早くなるため、近隣のネットワークにも協力を求めましょう。

マンションが空き家になったときにできること

マンションの空き家の管理は、第三者の手を借りて行うこともできます。自力での管理が難しい場合は、「賃貸物件として貸す」「管理業者に依頼する」「不動産会社に売却する」の3つを検討してみると良いでしょう。

賃貸物件として第三者へ貸す

賃貸物件として貸し出せば、賃料が得られます。前述の通り、空き家を所有していると維持費・管理費を支払う必要がありますが、賃貸物件として活用すれば、得た賃料から維持費・管理費を支払えるようになります。

また、人に貸すと定期メンテナンスが不要になるのもメリット。資産価値の下落も防ぐことができるでしょう。

管理業者に依頼する

空き家管理業者に依頼するのもひとつの手段です。お金がかかってしまいますが、一時的に空き家になる場合などには有用な方法と言えるでしょう。

依頼費用は、チェック頻度など条件にもよりますが、月額1万円程度が相場です。知人や親戚に管理をお願いするとトラブルの種になる可能性もあるため、しっかり責任を持って対応してくれるプロに任せた方が安心です。

不動産会社に売却する

今後空き家に住んだり活用したりする予定がなければ、不動産会社へ売却するのもよいでしょう。売却すれば、今後の管理コストがかからなくなるうえ、売却金も得られます。

マンションが古い、ローンが残っている、共有名義で売却しにくいなど、悩みを抱えている場合でも、相談すれば良い対処法を提示してくれるかもしれません。不動産会社も様々ですが、実績のある不動産会社に相談するのがおすすめ。

住栄都市サービスは創業28年の実績があり、無料診断も行っておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。

マンションの空き家が増える理由

空き家が増加している理由は、少子高齢化にも原因があるようです。リフォームにお金がかかる、居住地から遠いなどの理由によるものと思われます。

前述した通り、空き家は一軒家ばかりでなくマンションでも増えています。マンションの場合、また、所有者やその所在が不明の空き家が増えていることも問題です。同じマンションに住む住民たちは、空き家の管理費・修繕費も負担せざるを得ず、大きな問題になっています。

このような現状を、国土交通省も深刻な課題として捉えています。東京都や京都市、横浜市をはじめとする各地でも、マンションの管理についての議論がなされ、取り組みが行われているのです。

マンションが空き家になったら不動産会社へ相談を

マンションの空き家を所有すると、老朽化や空き巣被害、維持費がかかることなどのデメリットがあります。マンションの資産価値を維持するには、掃除や換気など定期的な管理を行う、空き巣に狙われないよう外観の保全をするなどの対応が必要です。

自力での管理が難しい場合は、不動産会社に売却するなど第三者の手を借りるのもひとつです。売却を検討しているなら、まずは経験豊富な不動産会社に相談してみましょう。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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