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遺品整理とは、家族が故人の所有物を整理することです。一方、生前整理とは、本人が家族の負担を軽減するために所有物を整理することを指します。とはいえ、実際にどのようなことをすべきか、悩む方もいるのではないでしょうか。
遺品整理や生前整理を手際よく進められるよう、本記事では両者の違いや進め方、メリット・デメリットを解説します。
目次
遺品整理と生前整理の違いとは?
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遺品整理と生前整理では、以下の表のとおり、目的や行う人物、行うタイミングに違いがあります。
遺品整理 | 生前整理 | |
---|---|---|
目的 | 故人の所有物を整理・処分する | 自分の所有物を整理・処分する |
行う人物 | 家族や親族 | 本人 |
行うタイミング | 相続発生後 | 生前 |
遺品整理とは
遺品整理とは、家族や親族が故人の所有物を整理・処分することです。相続に関わる遺言書や預金通帳などの書類を探したり、形見分けをする品を収集したりする目的もあります。
遺品の量が多い場合や思い入れが強く作業に精神的な負担がかかる場合は、業者に依頼することも可能です。
生前整理とは
生前整理とは、本人が元気なうちに自分で所有物を整理・処分することです。本人が物の処分方法を判断でき、亡くなった後に遺された家族の負担を軽減できます。
高齢等の理由から自力での作業が大変な場合は、家族や業者が代わりに行うこともあります。
遺品整理の進め方は?やるべきこと4つ
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遺品整理では、まず遺言書やエンディングノートを確認します。その後、遺品を仕分けして家族や親族、故人の友人等に分配。最後に残った遺品を処分し、室内を清掃するのが一般的です。
1.遺言書やエンディングノートを確認する
まずは、遺言書やエンディングノートを探しましょう。遺言書には法的効力があり、財産分配の指示や相続に関することが記載されています。勝手な開封は法律違反のため、見つけた場合は家庭裁判所に持参してください。(公正証書による遺言は除く)
遺言書の種類には故人自身が作成した自筆証書遺言のほか、公証人が作成した公正証書遺言や内容を秘密にしてある秘密証書遺言があり、後者は公証役場に保管されています。
エンディングノートとは、故人の考えや情報、遺族へのメッセージなどが記されたノートのことです。机の引き出し等に収納されていないか確認しておきましょう。
2.遺品を仕分けする
次に、家の中にある物を仕分けます。遺品を仕分ける際は、以下のように分類するとよいでしょう。
・貴重品
・相続
・形見
・譲渡・寄贈
・売却
・処分
貴重品には、通帳や印鑑、年金手帳のほか、アクセサリーといった貴金属や権利書等の不動産関連などの重要書類も該当します。
3.遺品を分配する
遺品の仕分けが完了した後は、貴重品や相続するもの、形見などを家族や親族、故人の友人に分配します。遺言書やエンディングノートがある場合はその内容に沿って、ない場合は遺族が話し合って分配方法を決定します。
なお、形見は衣服や所持品など、資産価値がないものが一般的です。現金や高価な品などは相続人の間でトラブルになりやすいため、法律に則って遺産分割するとよいでしょう。
4.遺品を処分し清掃する
遺品の分配後、残ったものは売却や譲渡、処分します。処分するものが多い場合は、不用品回収業者に依頼するのも一つです。また、遺品整理を業者に依頼している場合は、買取までしてもらえることもあります。
遺品の整理後は室内を清掃し、悪臭等が残っている場合は特殊清掃を依頼しましょう。特殊清掃については以下の記事を参考にしてみてください。
特殊清掃とは?依頼すべきケースや料金、業者の選び方を徹底解説
生前整理の進め方は?やるべきこと3つ
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生前整理では、まず身の回りの不用品を整理しましょう。さらに、財産目録や遺言書、エンディングノートを作成しておくと、遺された家族の負担を減らせます。
1.身の回りの不用品を整理する
まずは、衣類や家具のほか、写真・動画などパソコンやスマートフォンに保存してあるデータを整理します。不用品はリサイクルショップやフリマアプリなどによる売却だけでなく、福祉施設への寄付や家族・友人への譲渡も一つです。
生前整理のメリットは後述しますが、できるだけ物を整理し減らしておくことで、遺された家族の負担軽減につながります。
2.財産目録を作成する
財産目録を作成しておくと、相続がスムーズになり家族の手間を減らせます。財産目録とは、預貯金や不動産、ローンなど財産にまつわることを一覧にまとめたもののことです。
目録の作成前に未使用の銀行口座やクレジットカードなどは解約し、相続に必要なものを整理しておくとよいでしょう。
3.遺言書やエンディングノートを作成する
遺された家族のために遺言書やエンディングノートを書いておくのもよいでしょう。遺言書は先述のとおり法的効力があります。財産や手続きの指示がある場合は、具体的に記しておきましょう。
エンディングノートには法的効力がなく、形式も自由です。以下のような内容を残しておくと家族も安心できます。
・自分や家族、ペットの基本情報
・医療や介護のこと
・葬儀や納骨方法について
生前整理を行う3つのメリット
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生前整理には、家族が遺品整理を行う際の負担を軽くできたり、相続によるトラブルを防止できるといったメリットがあります。また、本人も物が整理されることで残りの人生を気持ちよく過ごせるでしょう。
1.家族が遺品整理を行う負担を軽くできる
生前整理をしておくことで、家族が遺品整理を行う負担を軽減できます。
物が多ければ、時間と労力が必要です。遺品整理は精神的な負担も大きいため、できるだけ物を減らしたり、エンディングノートなどに処分方法を記載したりしておくとよいでしょう。
2.相続によるトラブルを防止できる
生前に財産を整理しておくと、相続による家族・親族間のトラブルを防げます。何も指示のないまま遺族に財産を引き継いだ場合、誰が何を引き継ぐかで揉めやすくなるでしょう。そのため、遺言書に明記しておくと安心です。
また、生前に財産を贈与することは、相続税の軽減にもつながります。
3.物が整理され気持ちよく過ごせる
生前整理により物が片付くと、生活環境にゆとりが生まれ快適に過ごせるようになります。物が減ると掃除がしやすくなるだけでなく、転倒防止にも効果的です。
また、思い入れのあるものを見直し必要な物だけを残すことで、心も整理されるでしょう。
生前整理を行う3つのデメリット
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生前整理を行うデメリットとして、思い入れのある物が多い場合に作業に時間がかかることや、労力がかかり負担が大きい点、不用品の処分や手続きに費用が発生する点が挙げられます。
1.思い入れのある物が多いと作業に時間がかかる
生前整理では、思い入れのある物が多いと作業に時間がかかってしまうことが考えられます。自分で物を見極められるがゆえに、思わず懐かしんでしまい時間が経ったり、捨てられなくなったりする可能性があるでしょう。
2.所有物が多いと労力がかかり負担が大きい
物が多いと整理・処分するのに労力がかかり、体力的・精神的な負担が大きくなります。生前整理は計画的に、無理なく進めることが大切です。自力での作業が難しい場合は、業者に依頼することも検討しましょう。
3.不用品処分や手続きに費用が発生する
不用品の処分には費用がかかります。特に大型の家具や家電などが複数ある場合は、業者に依頼する必要があります。
また、遺言書の作成を専門家に依頼する場合などにも費用が必要です。
生前整理をしている場合、遺品整理はしなくてもいい?
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生前整理を徹底的に行っていたとしても、遺品整理は必ず必要になります。本人が生きている以上、少なからず生活用品は残るためです。
ただし、生前整理をするのとしないのとでは、遺された家族の負担は大きく異なります。例えば、故人が大切にしていたコレクションの処分方法に悩んだり、預金通帳を探し回ったりする必要がなくなります。
遺品整理による家族の負担が全くなくなるわけではありませんが、少しでも軽くするなら、元気なうちに少しずつ生前整理を始めておくとよいでしょう。
遺品整理と生前整理の違いを理解して手際よく進めよう
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遺品整理は遺族が故人の所有物を整理・処分することで、生前整理は本人が自身の所有物を整理・処分することです。生前整理を行っておくことで、遺族の負担を軽減できます。
遺品整理や生前整理において不動産売却にお悩みの方は、ぜひ住栄都市サービスまでご相談ください。
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1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。
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