駅から遠い家は、一般的に売りにくいと感じるでしょう。実際に、利便性の悪さをイメージさせることから、売れない要因の一つにはなります。
しかし、上手にメリットをアピールすることで売却につなげることは可能です。本記事では駅から遠い家が売れない原因からアピールポイント、売るための対策を解説します。
目次
「駅から遠い家」の定義
駅から遠い家に明確な定義はありません。とはいえ、一般的には駅から家まで徒歩15分以上かかる場合を指すことが多いです。距離にすると、駅から1.5km以上離れた家が該当します。
駅から遠い家が売れない原因3つ
駅から遠い家が売れない原因として、生活に不便さを感じさせること、ターゲットを絞れていないこと、将来売却しにくそうな印象を与えることが挙げられます。
1.生活に不便さを感じさせるから
買主に生活の不便さを感じさせやすいことは、駅から遠い家が売れない要因の一つです。駅から遠ければ買い物が大変になったり、人気の少ない帰路に不安を感じたりする可能性もあります。
特にマイカーを持っていない人は、徒歩や自転車、公共交通機関が移動手段になるため、駅から遠いことに不便さを感じやすいでしょう。
駅の周辺はスーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアが集中していることから、利便性が高いことがほとんどです。
2.ターゲットを絞っていないから
買主のターゲットを絞れていないことも、駅から遠い家が売れない原因として挙げられます。駅から遠い家は誰もが求めるわけではないため、「駅から遠い家を探しているターゲット」へ適切にアピールすることが必要です。
駅から遠いと、その分家の売却価格が下がる傾向にあります。このことから、家を限られた予算内で安く購入したい人をターゲットにできます。
また、普段電車を使わない人にとっては、駅から遠いことはデメリットになりません。そのため、通勤に車を使っている人や仕事ができる人等をターゲットにするのも一つです。
公園などの遊び場や学校が近い場合は、子育て世帯をターゲットに絞るとよいでしょう。
3.将来売却しにくそうだから
家を売却前提で購入する買主もいるため、駅から遠い家は将来売りにくいのではと心配される可能性があります。
駅から離れていると、前述したように生活の利便性に欠けることから、買主からの需要は少なくなりがちです。よって、将来的な需要が見込みづらいことも駅から遠い家が売れない要因となりえます。
駅から遠い家を売るためのアピールポイント7つ
駅から遠い家を売るためには、考えられるメリットを適切にアピールすることが大切です。ここでは7つの視点からアピールポイントを解説します。
1.家・土地の広さや価格
間取りや土地の広さは、アピールポイントの一つです。土地の価格は駅から遠い方が安い傾向にあるため、駅から離れた家であれば安くて広い家に住める可能性があります。
また、駅から遠い家は駅周辺の家と比較し、土地面積にゆとりがある場合が多いです。世帯人数が多いファミリー層や、車を複数台所有している人にアピールすることで売却しやすくなります。
2.駐車場の確保
前述のとおり、駅から遠い家は移動手段に車を使う人がターゲットとして絞られます。そのため、家に駐車場がついていることは大きなアピールポイントになるでしょう。
駅から近い戸建ての場合、駐車場がついていないケースがあります。駐車場に2台停められるのであれば、車を複数台所有している人にも積極的なアピールが可能です。
3.交通の利便性
交通の便に不便さを感じさせない場合はアピールポイントになります。駅まで15分以上歩かなければならない場合だと、買主は不便さや億劫さを感じるかもしれません。
しかし、バス停が自宅から近いところにある・バスの運行本数が多いなど、通勤通学や日常的な買い物に困らなければ、家が駅から遠くても売却しやすいでしょう。
4.子育てしやすい環境
周辺に公園や保育園、学校がある場合は、子育て世帯にとって大きなアピールポイントとなります。駅から遠い地域は駅周辺よりも公園が多い傾向にあり、ファミリーにとって魅力的に映るはずです。
例えば、家の周辺に大きな公園があれば、休日に家族で遊べることをアピールできたり、小学校や保育園が徒歩圏内であれば、送り迎えの負担を軽減できるメリットを打ち出せたりします。
立地があまりよくなくても、子育て環境がよければ将来的に高額で売却できる可能性もあるでしょう。
5.生活に必要な施設が充実
近くに生活に必要な施設が充実していれば、スムーズに売却できる可能性が高まります。買主は生活が快適かどうかを重視することが多いため、駅から離れていても便利であれば需要は見込めます。
例えば、スーパーやドラッグストアが近くにあれば、買い物の利便性が高まり、飲食店が多いことは子育て世帯や共働き世帯にとって魅力的に感じるでしょう。そのほか、銀行や図書館などもあると便利です。
病院が近くにあれば、高齢者にとっても住みやすい環境であることをアピールできます。駅から遠くても施設が充実していることを強調できれば、買主に魅力が伝わるはずです。
6.道路幅や交通量などの安全性
道路の広さや交通量の少なさはアピールポイントになります。駅から離れた住宅地は車の往来が少なく、通りが広いことが多いことから、車の出し入れやすれ違いにストレスを感じにくいでしょう。
一方、駅周辺は車通りが多く、道路が狭いケースが多いです。
7.地域の魅力や治安の良さ
自然環境や治安の良さをアピールすることで、売却できる可能性があります。駅から離れた地域は娯楽施設が少ない分、緑が豊かで治安が良い傾向にあります。
また、再開発予定がある地域は、「これから価値が上がるエリア」として買主の注目を集めやすいメリットも。
安全を重視する子育て世帯や資産価値を重視する買主をターゲットにする場合は、地域の魅力を伝えるとよいでしょう。
駅から遠い家を売却につなげる4つの対策
駅から遠い家を売却につなげるには、前述したアピールポイントを把握したうえで、不動産会社の選び方やターゲット設定、売り出し価格のつけかたにも留意する必要があります。
1.戸建ての売却が得意な不動産会社に依頼する
駅から遠い家を売却するなら、まずは戸建ての売却が得意な不動産会社に依頼しましょう。そのうえで、駅から遠い物件にも対応できる強みがあるとより安心です。
駅から遠い家は駅近の物件と比べて売りづらい傾向があるため、不動産会社の得意分野を理解してから依頼することで、スムーズな売却につなげられます。
2.ターゲットを絞って売却活動をする
前述したように、買主のターゲットを絞って売却活動をすることで、駅から遠い家でも売却しやすくなります。例えば、以下のような人をターゲットにするとよいでしょう。
3.売り出し価格を下げる
駅から遠い家を売却するには、売り出し価格を下げることも効果的です。価格を重視する買主からの注目を集めやすくなります。
不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」や不動産会社の査定を利用し、相場を把握したうえで価格設定を見直しましょう。
駅から遠い家の売却が難しいときは不動産買取を利用しよう
駅から遠い家の売却が難しい場合は、不動産買取業者に依頼するのもおすすめです。仲介業者に依頼した場合、買主が現れるまで待たなければなりません。
一方、買取業者であれば売りにくい物件でもすぐに買い取ってもらえます。仲介手数料が発生せず、すぐに現金化しやすいのもメリットです。
ただし、仲介業者に依頼した場合よりも買取価格が安くなってしまうのがデメリット。仲介業者での売却に苦戦している場合や、安くてもいいのですぐに売却したい場合は買取を依頼するとよいでしょう。
なお、駅から遠い家の売却にお困りの方は、不動産買取に強い住栄都市サービスにお任せください。
対策を知って、駅から遠い家をスムーズに売却しよう
駅から遠い家は、不便さを感じさせる点やターゲットが絞りきれていないことから、一般的に売れにくいとされています。しかし、事前に対策を立て、適切にメリットをアピールすることで売却は可能です。
不動産会社への買取を検討している方は、住栄都市サービスまでぜひご相談ください。
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1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。