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空き家の片付けで受けられる補助金は?補助額や利用条件までわかりやすく解説

2024.09.10

空き家を片付けるにはお金がかかります。費用がかさむことから、片付けがなかなか進まないという方もいるかもしれません。しかし、自治体によっては空き家片付けに対する補助金制度が用意されていることも。

この記事では、空き家片付けの補助額や利用条件、空き家バンクに関することから実際の事例まで解説していきます。

空き家片付けの補助金制度を設けている自治体【特徴3つ】

空き家片付けの補助金制度は、空き家が増加傾向にある都市圏、過疎化した地方都市、空き家バンクの取り組みを行っている地域で設けられています。

1.空き家率の高い都市圏

東京都を含む都市圏では空き家率が増加傾向にあり、1998年と比較すると3割以上の増加率です。都内では各区市町村がそれぞれ補助金制度を設けるなどして、空き家対策に乗り出しています。

ちなみに空き家率とは、総住宅数のうち人が居住していない家屋の割合や数値のこと。

なお、空き家の相談は、最終的に不動産会社を利用することをおすすめします。都市圏の空き家相談なら住栄都市サービスにお任せください。

2.過疎化した地方の地域

空き家片付けの補助金制度は、過疎化が進行している地方で設けられているケースも多々あります。国土交通省の「空き家対策の現状と課題及び検討の方向性」によると、高知県や鹿児島県などで空き家率が高い傾向です。

空き家が目立つ背景には、少子高齢化や都市部への人口集中などがあります。空き家は放置すると、近隣住民への悪影響や景観の悪化を招きかねません。そのため、早急な対策が求められているのが実情です。

3.空き家バンクの取り組みをしている地域

空き家バンクの取り組みを行っている自治体が、空き家対策の一環で補助金制度を設けていることもあります。

詳細は後述しますが、空き家バンクとは自治体のホームページなどで空き家の物件情報を提供する仕組みのことです。全国では6割の自治体が空き家バンクに参画しています。

空き家片付けの補助金はどのくらいもらえる?

実際、空き家片付けの補助金はどのくらいもらえるのでしょうか。補助額は自治体によって異なりますが、以下のケースが多いようです。

    • ・上限は10万円
    • ・補助対象経費の1/2にあたる金額

    空き家片付けの補助金の対象となる条件

    空き家であれば必ず補助金の対象になるわけではありません。補助金を受けるには、以下のような条件を満たす必要があります。

    <空き家片付けの補助金を受ける主な条件>
    ・物件が空き家バンクに登録されていること
    ・売却または賃貸予定の物件であること
    ・現時点で誰も住んでいない一軒家であること
    ・受給が確定した年度内に片付けの作業が完了すること

    なお、以下に該当する人は補助金支給の対象にならないため、注意が必要です。

      • ・規定を超える収入がある人
      • ・不動産業を営んでいる人
      • ・税金等を滞納している人
      • ・暴力団関係の人

      補助金の対象条件は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

      自治体によって補助金の必須条件となる空き家バンクとは

      空き家バンクとは、空き家の物件情報を提供しているサービスです。主に自治体が運営しています。物件を売却・賃貸したい人が登録して情報を閲覧できるようにしておくことで、地域への移住や定住の促進を図っています。

      民間の不動産にはない物件が探せたり、自治体職員により地域の情報が得られたりするのがメリットです。前述したとおり、空き家片付けの補助金を受ける条件として、空き家バンクへの登録を提示している自治体もあります。

      ただし、空き家を持っていれば誰でも登録できるわけではありません。登録には以下の条件を満たす必要があります。

        • ・相続が正しく行なわれている
        • ・災害の危険性が低い場所に物件がある
        • ・差し押さえの対象になっていない
        • ・建築基準法を逸脱していない
        • ・暴力団等追放推進条例に該当する人の所有ではない

      空き家バンクの登録手順

      空き家バンクの登録手順は以下のとおりです。

      1.自治体のホームページで条件等を確認する
      物件がある自治体のホームページを見て、空き家バンクの有無や登録条件等を確認する。

      2.必要書類を記入して登録申請を行う
      登録申請書や登録カードなど、自治体によって定められた必要書類を記入し、提出する。

      3.担当者や業者により確認が行われる
      自治体の担当者や委託された宅地建物取引業者が、現地の状況を確認する。

      4.空き家バンクに登録される
      問題なければ空き家バンクに物件情報が掲載され、登録完了証明書が送られてくる。

      空き家片付けの補助金が対象となる作業

      ゴミの処分や運搬、家電製品の処分、空き家敷地内の雑草や立木の撤去、およびその周囲の清掃にかかる費用は、空き家片付けの補助金が適用されます。

      ただし、自治体によって作業範囲は異なるため、事前の確認が必要です。

      ゴミの処分や運搬

      ゴミの処分や処理場に運搬した際にかかった費用は補助金の対象です。また、ゴミ処理を業者に依頼した場合に発生した費用も該当します。

      ただし、依頼する際は自治体が廃棄物の収集運搬を許可した業者でなければなりません。

      家電の処分

      リサイクル家電であるテレビ・エアコン・冷蔵庫を撤去する際の費用も補助金の対象です。リサイクル家電は自己搬入が認められていません。そのため、「市町村から委託」もしくは「一般廃棄物収集運搬業の許可」を受けた業者に依頼する必要があります。

      雑草・立木の撤去や清掃

      敷地内にある雑草や立木の撤去、清掃にかかる費用も補助金の対象です。草木が生い茂った状態では買い手がつかない可能性もあるため、適宜伐採や撤去をして清潔感を保つ必要があります。

      空き家片付けの補助金の申請手順

      空き家片付けの補助金の主な申請手順は以下のとおりです。

      ただし、流れや必要書類は自治体によって異なるため、事前に該当する自治体のホームページ等を確認しましょう。

      1.自治体のホームページを確認する

      物件がある自治体のホームページで、空き家片付けの補助金制度の内容や必要書類などを確認します。

      2.申請に必要な書類を提出する

      必要書類を記入し、不備のない状態で自治体に提出します。なお、必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下のような書類が必要です。

      • ・交付申請書
      • ・片付け費用の見積書
      • ・空き家の現状写真

      3.空き家の片付けを行う

      提出した見積書に沿って、空き家の片付けを行います。作業を業者に依頼した場合は、発生した契約書や明細書などの書類を必ず保管しておきましょう。

      4.空き家片付けの報告書・請求書を提出する

      空き家の片付けが完了したら、報告書や請求書の作成が必要です。自治体によって異なりますが、具体的には以下のような書類を準備するのが一般的です。

      • ・実績報告書
      • ・空き家片付け後の物件写真
      • ・領収書・明細書・契約書のコピー
      • ・補助金の請求書

      空き家片付けの補助金制度の事例2つ

      ここでは、実際に空き家片付けの補助金制度を設けている自治体の事例をご紹介します。

      <長野県上松町の事例>

      補助金名 上松町空き家片付け・改修促進補助金
      対象者 空き家バンクに登録している物件の所有者もしくは相続人
      対象経費 家財道具などの搬出および処分、清掃等に要する経費
      補助率等 かかった経費の全額(上限額10万円)

      長野県植松町では、このほか空き家改修や空き家解体に関する補助金制度も用意されています。

      <岡山県吉備中央町の事例>

      補助金名 吉備中央町空き家片付け事業補助金
      対象者 空き家バンクの物件登録者、利用登録者
      対象経費 家財道具などの処分・搬出に要する経費
      (その額が20,000円以上であること)
      補助金額 かかった経費の2分の1を乗じて得た額(上限20万円)

      補助金を上手に活用して、空き家を片付けよう

      空き家の片付けに際して、条件を満たしている場合は補助金を受けられます。上手に活用して、空き家の片付けを済ませましょう。

      なお、空き家問題でお困りの方は、住栄都市サービスでもご相談を承ります。ぜひお気軽にご連絡ください。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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