空き家であっても、居住中の住宅と同様に防犯対策は必要です。長期間にわたり人の出入りがない空き家は、人目につきにくいがゆえ、盗難や不法投棄などのリスクがあるためです。この記事では空き家で取るべき防犯対策や空き家対策をしないことのデメリットなどを紹介します。
あわせて自分で空き家の防犯対策を行うのが難しい場合に有効な方法や活用方法についても解説していますので、確認してみてください。
目次
空き家になぜ防犯対策が必要?危険な4つのリスク
空き家に防犯対策が必要な理由は、盗難や不法投棄、不法占拠、放火のリスクがあるためです。空き家における4つのリスクを見ていきましょう。
1.盗難のリスク
空き家には、盗難のリスクがあります。盗まれるような現金や貴金属を置いていなくても、人目のつかない時間帯であれば運び出せるものは増えます。普通なら盗まれない大きな家具であっても、簡単に運び出せるため盗まれてしまうかもしれません。
また、家財道具を盗まれなくても、勝手に水道や電気・ガスを使用される場合もあります。
2.不法投棄のリスク
人目がない空き家では、不法投棄のリスクが高まります。ポイ捨てのハードルが下がる他、大型家電やゴミを捨てられる可能性もあります。
万が一タバコの吸い殻をポイ捨てされた場合には、発火の危険性もあり、周辺住民にまで被害が及んでしまう事態に。タバコの火の不始末による火災が起こった場合、空き家であっても失火責任法が適用される可能性があるので注意が必要です。
3.不法占拠のリスク
空き家を不審者に不法占拠されて家の中を荒らされてしまったり、最悪の場合は犯罪の拠点にされてしまったりする場合も。実際に、麻薬取引場所として空き家が使われていた事例もあります。
また、不審者がゴミの放置をしていた場合には、悪臭や害虫が発生して隣人トラブルに発展するリスクがあります。
4.放火のリスク
放火も考えておかなくてはならないリスクの1つです。
人目につきにくい空き家は、放火犯の標的になり得ます。特にゴミを放置している場合は、放火犯に狙われるリスクが高まるといわれています。
火災が発生すれば隣家へも影響を及ぼすため、深刻な問題を引き起こしてしまうでしょう。
空き家の防犯対策5つ
空き家の防犯対策として、管理を徹底したり、防犯センサーやカメラをつけたり、補助鍵を設置したりする方法などが挙げられます。しっかり防犯対策を行って、空き家トラブルを事前に防ぎましょう。
1.空き家の管理をしっかりする
空き家の管理をきちんと行うことで、人の出入りが頻繁な家だと外部にアピールできます。
具体的には、ポストを定期的に確認して郵便物やチラシが溜まらないようにします。ポストがいっぱいになっていると、人の出入りが少ないと思われてしまうためです。
庭や住宅周辺の草木の管理も行いましょう。草が生い茂って手入れが行き届いていないと、人の出入りや人目が少ない家だと思われてしまいます。
その他にも家の周辺や敷地内のゴミ拾ったり、割れた窓ガラスや外壁を放置せずに修繕を行ったりして、人が頻繁に訪れていることをアピールすることが大切です。
2.防犯センサーやカメラをつける
防犯意識が高い家だと思わせるために、防犯センサーや防犯カメラなどのグッズを活用するのもおすすめです。
例えば、人が動くと点灯する防犯センサーを設置しておくと、夜間急にライトで照らされるため、不審者にとって周囲に気付かれるリスクが高まります。空き巣などの不審者はリスクの高い家を避ける傾向にあるため、犯罪を未然に防ぐ効果が期待できます。
その他、定期的な見回りを行う、防犯ステッカーを貼る、砂利を敷き詰めるなども効果的です。
3.玄関や窓に補助鍵を設置する
侵入経路である玄関や窓に補助鍵を設置するのも有効な手段です。補助鍵を設置して二重に施錠しておけば、侵入するまでに時間がかかるため、不審者が不法侵入を諦める可能性が高まります。
補助鍵の設置以外にも、窓に防犯フィルムをつけたり、防犯ガラスに変えたりすることで侵入を防げるでしょう。
4.近所の人と交流しておく
空き家の隣人と交流しておくことは、防犯につながります。定期的にコミュニケーションを取って信頼関係を築いておくと、もし見かけない人や怪しい人がいた場合に隣人が教えてくれるかもしれません。
隣人に挨拶をするときに、連絡先を渡しておくと良いでしょう。
加えて地域を管轄する警察署や派出所に、空き家であることを相談しておくのも良い方法です。
5.管理業者に管理を依頼する
空き家の管理を専門の管理会社に依頼するのも防犯対策になります。
自宅と空き家の距離が離れている場合は、頻繁に訪れることができないので、管理が行き届きにくくなってしまいます。その場合に管理会社に依頼して、空き家の管理を依頼すると安心です。
空き家の防犯対策をしないと起こる2つのこと
空き家は防犯対策をしておかないと、隣人トラブルを引き起こしたり、資産価値が低下してしまったりするリスクがあります。空き家の防犯対策を怠った場合に生まれるリスクについて、詳しく解説します。
1.隣人トラブルになる
空き家の防犯対策をしないと、周辺の治安に影響を与えるだけでなく隣人トラブルに発展する場合があります。
例えば草木の管理を怠っていた結果、隣家に草木が侵入してしまい、隣人からクレームが来ることもあります。さらに放火などの犯罪が起きて隣家まで被害が及んだときには、損害賠償責任を問われるかもしれません。劣化による倒壊の危険性もあるでしょう。
さらに景観を損ねていたり、不審者が生活ゴミを放棄することで衛生状態を悪化させたりしている場合、特定空き家に指定されて固定資産税が高くなってしまうリスクもあります。
空き家の管理不足によるさまざまなトラブルを避けるためにも、空き家の管理は徹底して行いましょう。
2.資産価値が下がる
空き家を放置したことで犯罪に巻き込まれた場合、資産価値が下がるリスクも否めません。いざ空き家を売却しようとしたときに、売却価格に大きく影響が出てしまいます。
空き家の資産価値を下げないためにも、しっかりと防犯対策を行うことをおすすめします。
空き家を売却・土地活用することも検討しよう
防犯対策を含む空き家の管理には、時間もコストもかかります。実家を相続したものの遠方でなかなか空き家を見に来られない場合や、管理会社に依頼するコストを抑えたい場合は、空き家を売却または土地や建物の活用を検討するのも良いでしょう。
例えば空き家を賃貸物件にすれば、家賃収入が得られて維持費のコストをカバーできます。また、時間が経過して資産価値が下がってしまう前に売却する方法もあります。
住まいをトータルプロデュースしている住栄都市サービスでは、不動産売買のサポートはもちろん空き家でお困りの方へ向けて空き家管理を提供するサービスを行っています。
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空き家の防犯対策はしっかりして犯罪を防ごう
住んでいる人がいない空き家であっても、犯罪や隣人トラブルに巻き込まれないために防犯対策が必要です。空き家の防犯対策を自分で行うのが難しい場合には、専門の管理会社に委託するのも1つの選択肢になります。
空き家の防犯対策をしっかり行って、大切な資産を守りましょう。
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1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。